肝臓は、エネルギーになる物質を蓄えたり、有害な物質(アルコール・薬・老廃物など)を分解する。肝機能異常で症状があった場合はすでに深刻な事態になっていることも多く、沈黙の臓器とよばれる。
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの値から、肝機能の異常を調べます。
※今回の健診戦ではALPは含まれません。- 【エーエスティー(ジーオーティー)】基準値高値急性・慢性肝炎、肝硬変、
脂肪肝、心筋梗塞、筋疾患など - 【エーエルティー(ジーピーティー)】基準値高値急性・慢性肝炎、アルコール性肝炎、肝硬変、脂肪肝など
- 【ガンマジーティーピー】基準値高値アルコール性肝障害、
慢性肝炎、胆石など
「肝機能」を改善するためには?- 飲酒
- お酒をおかわりする前に、
コップ1杯の水を摂取する。 - 空腹の状態では飲まない。
- 食事
- 酒のつまみは、セサミンが多く含む「ごま」が加えられているものを選ぶ。(ほうれんそうのごまあえなど)
- 飲酒中や飲酒後は、タウリンが多く含む
「あさり・しじみ」を摂る。
- 睡眠
- 睡眠はできれば最低6時間確保(睡眠中は代謝活動も抑えられるため肝臓への
負担が軽くなる)
脂質は、三大栄養素の中で最も高いエネルギーを得ることができ、身体を寒冷から守ったり、ビタミンの吸収を促すなど、重要な役割を担う。しかし、蓄積されると動脈硬化の原因になる。
HDL-C、LDL-C、TGの値から脂質の異常を調べます。
- 【エイチディーエルシー】基準値低値動脈硬化症、糖尿病など
- 【エルディーエルシー】基準値高値動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、腎疾患など
- 【ティージー(チュウセイシボウ)】基準値高値高脂血症、糖尿病、肥満症、
脂肪肝など
「脂質」を改善するためには?- 食事
- 肉は週2~3回、魚は週4~5回が理想。
- 甘いものをとるときには
食物繊維と一緒にとる。(おすすめはあんみつ・寒天など) - チョコレートはカカオの含有率が
高いものにする。 - 緑黄色野菜(ブロッコリー・ピーマン・トマト)を
積極的に摂る。 - 就寝2時間前には、飲酒・食事を終える。
尿酸は、プリン体が体内で分解されてできる老廃物で、大部分は尿の中に排泄される。
尿酸が増えると尿酸結晶というガラスの破片のようなものが関節等にたまり痛みがでる(痛風)。- 基準値高値痛風、高尿酸血症、腎不全など
「尿酸」を改善するためには?- 食事
- (尿酸排出を促すため)1日2Lの水分摂取をす
る。 - ベーコンやウィンナーなどの
加工食品を取りすぎない。 - アルカリ性食品(野菜・海藻・イモ類、大豆食品など)を毎食取り入れる。
- 飲酒
- ビールよりもハイボールなどの
プリン体が少ないお酒に変える。 - プリン体が少ないお酒でも飲みすぎは禁物。(アルコール自体が尿酸産生を促す)
糖は、炭水化物が消化管の中で分解されたブドウ糖であり、体のエネルギー源となる。
食事などで血液中の糖が上昇すると、血糖を下げるインスリンホルモンが分泌され、体内の糖バランスを保つ。血糖、HbA1Cの値から、糖の異常を調べます。
- 【ケットウ】基準値高値糖尿病など
- 【エイチビーエーワンシー(ヘモグロビンエーワンシー)】基準値高値高脂血症、糖尿病、肥満症、脂肪肝など
「糖」を改善するためには?- 食事
- 糖質制限をするのでなく、食物繊維を積極
的に摂り、間食をうまく利用する。 - 満腹中枢を刺激するために
1回ずつ箸を置く、1口30回咀嚼をする。 - 全体的に白色(白米、食パン)よりも
茶色(玄米、全粒粉パン)を選ぶ。 - 就寝2時間前には、飲酒・食事を終える。
- 運動
- (もっとも血糖値が高くなる)食後1~2時
間後は、なるべく動くようにする。
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管(動脈)にかける圧力のこと。心臓が収縮し血液が送り出されるときの圧力を収縮期(最大)血圧、心臓が拡張している送り出されるときの圧力を拡張期(最小)血圧という。
- 基準値高値高血圧、心疾患、脳血管障害、腎臓病など
「血圧」を改善するためには?- 食事
- 減塩
- 塩分の変わりにレモン、しそ、生姜、
黒胡椒や香味野菜などでメリハリをつける。
- 食事
- その他
- 野菜や果物(カリウムが余計な塩分を排出)
を積極的に摂る。
- 全般
- 睡眠不足にならないように、仮眠10分を
とるなどして休養をとる。 - ブレイクタイムやイライラしたときには、
深呼吸や腹式呼吸をする。
- 運動
- エスカレーターより
階段(消費カロリー4倍)を使う。
視力は、ランドルト環と呼ばれる「C」のような形の指標を用いて、2つの点が離れていることを見分けられる最小角度を測定する。切れ目の視角が1分(1度の60分の1)のランドルト環を見分けられる視力が1.0となる。
- 基準値近視・乱視・遠視、老眼、白内障、緑内障など
「視力」を改善するためには?- パソコン作業をするときには、
50分に1回は休憩をとる。 - 遠い景色を見たり、温かいタオルなどを
目にのせて血行をよくしたり、
目を意識的に休ませる。 - コンタクトレンズやメガネを
使用している人は定期的に検査を受けて、
自分にあったものを選ぶ。 - パソコンやスマートフォンを長時間
使用する際は、ブルーライトカットの
メガネをかけるとよい。
尿蛋白とは、本来腎臓で処理されるはずの蛋白が尿に出ている状態。腎臓の異常だけでなく、疲労や運動など一過性の要因もある。
- 基準値慢性腎臓病、発熱、激しい運動など
「尿蛋白」を改善するためには?- 手洗いうがいをこころがけ、
かぜなどの感染症に注意する。 - 尿の量や色などを
肉眼で確認するよう心がける。 - 暴飲暴食や激しい運動、
疲労蓄積による影響もあるため、
規則正しい生活を心がける。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
の略で、腹囲(内臓脂肪の蓄積)、脂質・糖・血
圧の値から該当者・予備軍を判定する。- 腹囲対象値腹囲の条件を満たす方を対象に、
下記の該当項目数によって診断されます。2つ該当=基準該当
1つ該当=予備軍該当血圧対象値血糖対象値脂質対象値動脈硬化性疾患(心疾患、脳血管障害)
「メタボ」を改善するためには?- 全般
- 日頃から姿勢を整えて、体幹を鍛える。
- 食事
- 一品料理や丼物より定食を選ぶ。
- 運動
- エスカレーターより
階段(消費カロリー4倍)を日常化する。 - 座りっぱなしは避け、
1時間に1回は軽く動くようにタイマーを
つけるなどして意識する。 - 歩くときは大股(いつもより+10cm)で、
胸をはり背筋を伸ばす。
早足(普通に歩くより2倍消費)で、
しっかりと踵から着地する。
体格指数(Body Mass Index)の略。肥満の
判定基準であり、体重(kg)/{身長(m)×身長(m)}
で算出する。- 基準値生活習慣病(脂質異常症、高血圧、糖尿病、動脈硬化症、脂肪肝など)
「BMI」を改善するためには?- 食事
- 昼はしっかり食べてもOK、
夜は腹八分目にする。 - 一口で30回噛むようにする。
- 運動
- エスカレーターより
階段(消費カロリー4倍)を使う。 - 座りっぱなしは避け、
1時間に1回は軽く動くようにする。 - 歩くときは大股(いつもより+10cm)で、
胸をはり背筋を伸ばす。
早足(普通に歩くより2倍消費)で、
しっかりと踵から着地する。